こんにちは、鯵彩です。
ハンドメイドルアーに漆を使っている事例を探してこの記事に来られた感じですか?
ネットで探しても良い情報にたどり着けなかったボクは、体験工房に行って、漆をハンドメイドルアーに使用する場合の注意点などを教えてもらいました。
そこで、色付け方法や体験工房で教えていただいた注意事項など、メリットとデメリットを紹介していきますので参考になれば幸いです。
漆でルアーに色を付けるメリットとデメリット
漆のメリットとデメリットを率直に言っておきますと、、、
ハンドメイドルアーに漆で色を付けるメリット
・筆で塗っても均一になりやすい
・室内でできる
・乾燥するとシンナーに強い
・塗膜が強い
・防水性がある
エアブラシだと霧状に飛ばすため、室内での使用にはブースなどの喚起装置が欲しくなります。屋外で作業しても良いですが、風が吹くとホコリが表面に付いてしまうので、作業性が悪くもなります。
その点、漆は筆でしか作業ができないため屋内で作業できて、さらにボクが一番手間だと思っているエアブラシの分解清掃の手間が無い(喜
うるしは古来から食器の表面に使われていて、防水効果があるのは知られていますが、実際に使って解ったことは、乾燥するとシンナーの浸食に強いため色流れがおきません。
なので、乾いたらいきなりウレタンでのデッピングができちゃいます。
ハンドメイドルアーに漆で色を付けるデメリット
・乾燥に時間がかかる
・独特なニオイがある
・カラーバリエーションが少ない
・扱っている人が少なくて相談できない
・海水で曇る
デメリットはこんな感じです。
当初メリットだったエアブラシ不要は、エアブラシを使いたい人からすればデメリットになりますよね…
カラーバリエーションの少なさは、後からアクリル塗料をエアブラシで吹いて仕上がりのバリエーションを増やしたりすればOKですが、純粋な漆塗りのルアーではなくなってしまうのが残念です。
あとは、漆で塗っただけの状態で海で使うと表面が曇るので、最終的にはトップコートが必要になります。
もし、ハンドメイドルアーのベースの色だけでも漆を使ってみようかな?
って思えた あなたへ簡単ですが手順を紹介していきますので続きをどうぞ!
漆のハンドメイドルアーは下地塗りから
ルアーの色付けには塗料を問わず下地が必要で、漆の場合にはサーフェサーを塗ります。
目的は以下の3つ
・漆の乗りが良くなる
・明るい色の発色が良くなる
塗る前にサーフェイサーは中味が分離していますので、よくよくよくよく振ってください。
最初はカナリ硬いのでマドラーや割りばしで混ぜるのも全然アリです。
ある程度軟らかくなったら少しずつ うるし薄め液 で薄めて筆で塗ります。
目的である木目が見えなくなるように、やや厚めに塗ってください。
乾いたら、#600~#1000の耐水ペーパーで水研ぎで表面を平らに仕上げればハンドメイドルアーの下塗り完了です!
ハンドメイドルアーに漆で色を付ける
下塗りが終わったらハンドメイドルアーに色付け
グラデーションなどの高度なことはできないので、単色で全体を塗りつぶします。
塗りが厚くならないように注意です!
重ね塗りが基本なので、最初は凸凹があってもあとから修正できるのでビビらずに筆の跡が見えるくらい薄く塗ってOK!
東邦産業 特製うるしを使うにあたっては、チューブから出してそのままで大丈夫です。
乾燥が始まって漆が伸びなくなったら、特製うるしうすめ液をスポイトで1滴だけいれてよくなじませればOK
入れすぎると、当然ですがシャバシャバになってしまいます。
まぁシャバシャバになったら均一に延ばして適度に硬化するのまってから使ってください。
ハンドメイドルアーに漆を塗りすぎたら
厚塗りになっていたり、アイに漆が多く付いていると、吊るして干す時に下の方にゆっくりと垂れて滴ができることがあります。
こうなった場合には、完全に乾燥した後に耐水ペーパーで平にすればOKです。
表面だけ乾燥した状態だと中の漆がネバネバしているので作業しずらいので、表面だけをカッターで切り取って中のネバネバしている漆を乾燥させるのもアリですよ。
切り跡ができてしまいますが、この後の耐水ペーパーでの水研ぎで平にすればよいので問題ありません!
ハンドメイドルアーに漆を重ねる
1回目を塗り終わったら、ミスをごまかすために重ね塗りをしていきます。
ルアー全体を#600~#1000耐水ペーパーを使って表面の光沢を取って、漆を乗せやすくします。
光沢を取ったら重ね塗りをしていきます。
重ねる漆は厚塗りになるのを防ぐためにスポイトを使って うるし薄め液 を数滴入れ、シャバシャバにならない程度にやわらかくしてください。
漆をやわらかくしたら、ルアー全体に薄く塗って乾燥させ再度水研ぎを行います。
今、説明した工程をもう1回やって、
最初の塗り1回+重ね塗り2回のトータル3回塗ったら塗り完了です。
ハンドメイドルアーの漆にはトップコートが必要

漆ってお皿にお使われているのになぜ
トップコートが必要なの?

嵯峨の螺鈿職人さんの体験工房に行ったときに
「釣り竿やルアーに螺鈿細工を施したことがありますが、
海水に触れると表面が曇り、漆が劣化してしまうため
ウレタンやエポキシでコーティングしないと長持ちしません。」
と教えて頂きました。
ホントに???と思って、海で試し投げをしました。
どちらが海水に触れたルアーか見分けがつきますか???
左側:海で試し投げしたルアー
右側:家の置いておいたルアー
なんと!試し投げして来ただけで、表面に曇りができました。
海水による浸食は意外と早いようなので、トップコートは必ずやることを強くおすすめします。

漆での色の付け方はこんな感じです。
絵具感覚で使えるので、思ったより簡単だと思います。
メリット・デメリットと人の好みもありますので、1色だけからチャレンジしてみると良いかもしれません。
海水に弱い特徴があるので最後は必ずトップコートで漆を保護してくださいね!